病気や障害のある子どもの、その先を支える|ダイダン×チャーミングケア

ダイダンとCharming Careのロゴと「病気や障害のある子どもの、その先を支える」「治療の先にある、暮らしと未来のために」の文字
ENGLISH TITLE & SUMMARY Q Care Mentoring for children with illnesses or disabilities: Daidan × Charming Care Open to read a brief English summary.

This is an English summary of the Japanese article below.

An interview with Daidan Corporation explores its support for Charming Care’s Q Care initiatives, particularly Q Care Mentoring, an online service for children and parents to reflect on daily life, learning and future plans. The conversation covers why children with illnesses or disabilities and their families need opportunities for dialogue, learning and planning beyond medical treatment, and how the two organisations hope to connect families with information and ongoing support.

ダイダンとチャーミングケアが考える 対話と情報から始まる新しい支援のかたち

病気や障害のある子どもにとって、治療が生活のすべてではありません。

入院中にも学校や友人との関係があり、退院後には復学、学習、進路、外見の変化、家族との暮らしなど、さまざまな課題が続いていきます。

一般社団法人チャーミングケア(以下、チャーミングケア)は、こうした「治療以外のケア」に着目し、病気や障害のある子どもと家族の暮らしを支える取り組みを続けてきました。

2026年、ダイダン株式会社(以下、ダイダン)から、チャーミングケアが展開する「Qケア」関連事業への寄付が決定しました。

ダイダンは1903年に大阪で創業し、空調、給排水衛生、電気などの設備を通じて、人が快適に活動できる「空間価値」を提供してきた総合設備工事会社です。これまで様々な活動を通じて社会福祉の増進に向けた助成を継続。近年も、宮城県立こども病院に入院する子どもの家族が滞在する「ロナルド・マクドナルド・ハウスせんだい」での清掃活動など、地域社会との接点を持った取り組みを行っています。

今回、ダイダンには、病気や障害のある子ども本人と家族を対象とする「Qケア メンタリング」の意義に共感いただき、この取り組みをご支援いただくことになりました。

単に情報を届けるだけではなく、本人と保護者がそれぞれの現在地を整理し、その先の学びや進路、暮らしを一緒に考える。その対話型の支援を、病院にいる子どもや家族にも届く文化として広げていく。

そのためにチャーミングケアでは、Qケア メンタリングを中心に、入口となる事前相談ナビ、相談先検索、そして病院向け情報誌「Qケア通信 -ホスピタル-」を一つの流れとして整備しています。

ダイダンは、この取り組みのどこに可能性を感じたのでしょうか。

治療が終わっても子どもの生活は続いていく

チャーミングケアの活動の原点には、代表理事・石嶋瑞穂自身が、子どもの入院生活に付き添った経験があります。

病院では治療についての説明は受けられても、その子がこれからどう学校へ戻るのか、学習の遅れをどうするのか、外見の変化とどう付き合うのか、進路をどう考えるのかといった「その後の生活」については、本人や家族が自分たちで情報を探さなければならないことも少なくありません。

チャーミングケアではこれまで、アピアランスケア、復学支援、学習・進路、買い物、相談支援など、医療と日常生活の間にある課題について、情報とサービスを蓄積してきました。

その蓄積をもとに、現在は「Qケア」という枠組みで、本人が自分の状態や気持ちを整理し、次の選択を考えるための仕組みを展開しています。

Q. ダイダンでは、今回チャーミングケアの取り組みを知った際、最初にどのような印象を持たれましたか。

A. 病気や障害のある子どもたちを、治療だけでなく、その先の学校生活や学び、将来まで見据えて支援されている点に大きな意義を感じました。私たちも医療に関わる事業に携わっていますが、治療後も一人ひとりの生活は続いていきます。そうした「その先」に目を向け、ご本人やご家族に寄り添いながら支援を形にされていることに強く共感しました。

現在地を一緒に整理するQケアメンタリング

今回の支援の中心となる「Qケア メンタリング」は、最初から進路や課題を決めるサービスではありません。

子ども本人と保護者、それぞれに話を聞き、今どんなことを感じているのか、何に困っているのか、周囲の環境をどう捉えているのかを整理するところから始めます。

大人から見えている課題と、子ども本人が感じている困りごとは、必ずしも同じではありません。

そこでQケア メンタリングでは、本人と保護者それぞれの見え方を確認しながら、学び、進路、暮らしなど、その先にある選択肢を一緒に考えていきます。

チャーミングケアでは、こうした対話型の支援を、「困った人だけが利用する特別な相談」ではなく、病気や障害のある子どもが自分のことを整理し、次の一歩を考えるための自然な選択肢として広げていきたいと考えています。

Q. 今回の寄付では、特に「Qケア メンタリング」に意義を感じていただいています。本人と保護者が対話を通じて現在地を整理し、その先の学びや進路を考えるという仕組みについて、どのような点に価値を感じられましたか。

A. 子ども本人が感じていることと、周囲の大人が考えていることは、必ずしも同じではないと思います。だからこそ、本人の声にしっかり耳を傾けながら対話を重ね、自分自身で次の一歩を考えていくことが大切だと思います。

進学や将来について、すぐに一つの答えを出すのではなく、「今どう感じているのか」「これからどうしたいのか」を一緒に整理していく。そのプロセスそのものが、子どもたちが将来自分らしい選択をしていくための力につながるのではないかと期待しています。

相談前の入口となる事前相談ナビ

メンタリングの仕組みがあっても、その手前で「そもそも、どこに相談すればよいのか分からない」という人もいます。

病気や障害のある子どもと家族の困りごとは、医療、福祉、教育、学校生活、学習、進路、アピアランスなど、複数の領域にまたがります。

チャーミングケアが実施したアピアランスケア当事者調査でも、困りごとがあっても、どこへ相談すればよいのか分からないケースがあることが見えてきました。

そこで、5つの質問に答えることで、今の状況に合った相談先や、関連する情報・制度・道具の候補を確認できる「事前相談ナビ」を開発しました。

この機能は、特定の窓口へ自動的に振り分けるものではありません。相談先だけでなく、次のような複数の選択肢を提示します。

  • 小児がんや小児慢性特定疾病の相談窓口
  • 暮らし・福祉の相談先
  • 就学奨励費
  • 福祉用具
  • アピアランスケアの情報
  • 自治体助成
  • メンタリング

情報を見れば解決できる人、制度を確認すればよい人、道具で困りごとを減らせる人、誰かと一緒に整理したい人。

それぞれに違う出口を用意し、必要な人だけがメンタリングや直接相談へ進める構造にしています。

Q. 支援が必要かどうかを判断する以前に、「何に困っているのか」「どこへ相談すればよいのか」を整理する仕組みをつくることについて、どのように感じられましたか。

A. 支援制度があっても、どこに相談すればよいか分からない方は少なくありません。その入口となり、必要な支援につなげる仕組みとして非常に有用だと感じています。

メンタリングの文化を病院へ広げるQケア通信 ホスピタル

どれだけサービスを作っても、必要な人に知られなければ利用にはつながりません。

そこでチャーミングケアでは、病院で子どもや家族が手に取れる情報誌「Qケア通信 -ホスピタル-」を制作し、小児がん拠点病院・連携病院などへの配布を予定しています。

誌面では、病気そのものの情報だけではなく、次のような治療の先に続く生活について扱います。

  • 復学
  • 学び
  • 進路
  • アピアランスケア
  • 暮らしの工夫
  • 相談先
  • メンタリング

目指しているのは、情報誌を読むこと自体をゴールにすることではありません。

病院の中で情報に触れ、次の流れをつくることです。

知る → 自分の困りごとを整理する → 相談先を探す → 必要に応じてメンタリングを利用する

Q. メンタリングという支援を、病院にいる子どもや家族へ届けるために、紙の情報誌を配布する計画も進めています。「情報を届けること」と「対話による支援」を組み合わせる今回の取り組みを、どのように見ていますか。

A. 特に病院は、子ども本人やご家族にとって、治療に向き合う場所であると同時に、その後の生活についてさまざまな不安や疑問が生まれる場所でもあると思います。そうした場所で、復学や学び、進路、暮らしについての情報に自然に触れられることは、とても意義のあることだと思います。

ダイダンの社会貢献活動との交差

ダイダンは、本業である建築設備に加え、長年にわたり社会貢献活動にも取り組んできました。

1993年には、創業90周年事業の地域貢献活動の一環として、公益財団法人大阪コミュニティ財団に「ダイダン社会活動基金」を設置。現在も、その運用収益で身体障がい者支援や人権教育の充実をはじめ、社会福祉の増進に向けた活動を推進しています。

また、東北支店では「ロナルド・マクドナルド・ハウスせんだい」のクリーン活動に参加しています。同施設は、宮城県立こども病院に入院中の子どもの家族が滞在する場所です。

ダイダンは、「地球と社会と私たちの未来に、安全・快適・信頼の空間価値を届ける」を企業理念に掲げています。電気、空調、給排水衛生設備など、人が建物の中で活動するための環境そのものを支えてきた会社です。

チャーミングケアが取り組んでいるのは、その病院の中、そして病院を出た後に続いていく子どもと家族の暮らしです。

事業領域は異なりますが、「人がその場所で生活し、活動するための環境を整える」という点では、重なる部分もあります。

Q. ダイダンがこれまで取り組んできた社会貢献活動と、今回のチャーミングケアへの支援には、どのようなつながりがあると考えていますか。

A. ダイダンは、建築設備の提供を通じて人々が安全・安心に過ごせる環境づくりに取り組むとともに、さまざまな社会貢献活動を続けてきました。今回の支援も、病気や障害のある子どもたちとご家族が、自分らしい未来に向かって歩んでいける環境を支える活動として、私たちの理念につながるものだと考えています。

今回の支援を、単発の寄付としてではなく、病気や障害のある子どもたちとご家族を支える活動を社会に広げていく一つの機会にしていきたいと思います。

互いの強みを持ち寄る協働へ

チャーミングケアでは、企業との関係を「寄付する側」と「寄付される側」だけにはしたくないと考えています。

企業が持つ知見、ネットワーク、社会との接点。チャーミングケアが蓄積してきた当事者の声、調査データ、病院との接点、情報発信、サービス実装。

それぞれの強みを持ち寄ることで、一つの組織だけではできない支援をつくることができます。

今回のダイダンからの支援も、単に活動費を受け取ることではなく、病気や障害のある子どもと家族を支える仕組みを、社会の中へ広げていくための一つの協働として位置づけています。

Q. 社会課題に取り組む団体と企業が連携する際、ダイダンとしてどのような関係が望ましいと考えていますか。

A. 企業と社会課題に取り組む団体との関係は、単に「支援する側」と「支援される側」に分かれるものではなく、それぞれが持つ強みを生かしながら、一緒に社会的な価値を生み出していく関係であることが理想だと考えています。

まずはチャーミングケアの取り組みをより多くの方に知っていただき、今後もそれぞれの立場から、子どもたちやご家族のために何ができるのかを一緒に考えていければと思います。

チャーミングケア代表理事 石嶋瑞穂コメント

今回ありがたいと感じているのは、何かをゼロから始めるためだけの支援ではなく、私たちがこれまで積み上げてきたものを、次の段階へ進めるための支援をいただけたことです。

病気や障害のある子どもと家族の困りごとは、医療、福祉、教育、暮らしと制度ごとにきれいに分かれているわけではありません。

だからこそ、情報誌、WEB、相談検索、アプリ、メンタリングを別々に置くのではなく、「知る」「整理する」「相談する」「その先を考える」までを一つの流れとして利用できる形にしたいと考えています。

中でもQケア メンタリングは、支援者が答えを与えるのではなく、本人と保護者がそれぞれの現在地を整理し、次の一歩を一緒に考えるためのものです。

この考え方を病院の中にも届け、必要な子どもや家族が自然に利用できる文化にしていきたいと思っています。

ダイダンからのメッセージ

Q. 最後に、病気や障害のある子どもと家族、そして今回の取り組みに関心を持つ方々へメッセージをお願いします。

A. 病気や障害のある子どもたちとご家族が、一人で悩まず必要な支援につながれる社会になってほしいと願っています。

今回のご縁を大切にしながら、チャーミングケアの皆さんとともに、子どもたちがその先の未来に向かって一歩を踏み出すことを応援していきたいと思います。

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