視覚障害の小中高生9人が4泊5日 当事者が運営する宿泊キャンプ、27年度の全国展開へ

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視覚障害専門のオンライン個別指導塾を運営するWillShineが、視覚障害のある小中高生を対象とした宿泊型キャンプを初開催。千葉県で4泊5日、関東・中国・九州から9人が参加した。「危ないから」と体験の機会を得られないまま育つ子どもも少なくないなか、「できる方法を考える」を原則に据えた。2027年度以降は開催地と回数を増やす方針。

視覚障害専門のオンライン個別指導塾「ブイリーチ」を運営するWillShine(東京都文京区、川本一輝代表取締役)は、視覚障害のある小中高生を対象とした宿泊型キャンプ「ブイリーチキャンプ2026夏」を初めて開催した。会期は8月25日から29日までの4泊5日。会場は千葉県立水郷小見川青少年自然の家(千葉県香取市)で、関東、中国、九州の各地方から9人が参加した。

参加者の内訳は小学生2人、中学生2人、高校生5人。視覚の状態は全盲が7人、弱視が2人だった。応募は11人で、体調不良などによるキャンセルを除く9人が参加した。運営スタッフは9人で、うち3人が視覚障害の当事者である。参加費は一般7万8000円、同塾の利用者は7万3000円で、交通費は各自負担とした。

同世代と出会う機会は限られている

同社がキャンプを企画した背景には、二つの課題がある。

一つは、同じ立場の同世代と出会う機会の少なさだ。文部科学省の「特別支援教育資料(令和5年度)」によると、視覚に障害があり特別支援学校・特別支援学級・通級による指導を受けている児童生徒は全国で約5500人。1学年に1人から3人という特別支援学校も多く、横のつながりができにくい。

もう一つは、体験の機会そのものだ。同社は、「危ないから」という理由で調理や刃物の使用といった経験を得られないまま育つ子どもが少なくないと指摘する。安全と責任の板挟みのなかで、結果として何もさせないという選択が常態化するケースがあるとしている。

オンライン指導では知識を伝えられるが、その裏側にある実感は体を通してしか得られない。空気の通り道をつくらなければ火が燃えにくいことは、実際に薪を組んで初めて分かる。オンラインで学び、キャンプで手を動かす。この両輪を実現するために企画したという。

参加した高校生(全盲)は「普段は同世代の視覚障害者と話すことがないのですが、キャンプで一緒に生活ができたり、一緒に活動ができてうれしかったです」とコメント。別の高校生(弱視)は「視覚障害のある人だけでなく、年の近いボランティアスタッフの人ともかかわることができて楽しかった」と話している。

「支援の対象としてではなく、ともに楽しむ仲間として」

代表の川本氏自身も視覚障害の当事者であり、同様の経験を重ねてきたという。

川本代表はリリースで次のようにコメントしている。

「見えないからできないのではなく、できる方法を考える。それを仲間とともに経験することが何より重要だと考えています。安全と責任の板挟みのなかで、子どもに何もさせないことが常態化してはいないでしょうか。支援の対象としてではなく、ともに楽しむ仲間として関わること。その姿勢をこれからも現場で示していきます」

2027年度は年3回以上、関西・九州も視野

今後は、2027年度以降、2泊3日を基本形としたうえで、開催地と開催回数を増やす方針。関東に限らず関西や九州などでの開催も視野に入れ、年3回以上の実施を目指す。あわせて、経済的・距離的な事情で参加が難しい家庭に向けたスカラーシップ制度の新設を予定する。

今回の参加者が関東、中国、九州と広域にまたがった点は、こうした機会が地域を問わず求められていることを示している。一方、遠方からの参加には交通費と移動の負担が伴う。日程の短縮、開催地の分散、支援制度の新設は、参加費と移動の両面の負担に対応するものといえる。

出典:株式会社WillShine プレスリリース

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