がん対策推進基本計画策定 子どものアピアランスケアに関する要望 として2022年10月11日に厚生労働省宛に要望書を提出しました。

がん対策推進基本計画策定 子どものアピアランスケアに関する要望 として2022年10月11日に厚生労働省宛に要望書を提出しました。

要望事項

  • 要望1:各市町村で行なっているアピアランスケア支援事業について、国主体での実態調査を行い、現状把握を行なってください。
  • 要望2:現在各市町村で行われているアピアランスケア支援事業の実態を鑑み、自治体ごとの施策とするのではなく、国としての施策として支援事業を行なっていただく体制づくりを要望します。
  • 要望3:当団体が行ったアピアランスケア支援事業の実態調査において、年齢制限もなく小児も助成対象になっているにも関わらず、小児がん患児への活用配慮がなされていない傾向が見られます。国主体での実態調査の後、実際のニーズに合わせた形での助成制度の検討を各都道府県及び各市町村宛に通知してください。

本要望に賛同いただいた小児がん経験者及び保護者・サポーター・団体・企業など34名の方にご協力いただきました。

チャーミングケア調査グループ一覧
石嶋瑞穂 (一般社団法人 チャーミングケア代表理事)
岩倉絹江 (一般社団法人 チャーミングケア理事)
奥井のぞみ(一般社団法人 チャーミングケア理事)
飯田 有未
岡本 康史
小川 梓
木伏 貴子
倉地 弘子
佐藤 亜紗美
林 めぐみ
松下 由希子
吉原 香穂莉(看護師)

以下、要望の内容を転載いたします。

〈各要望の詳細〉

要望1

各市町村で行なっているアピアランスケア支援事業について、国主体での実態調査を行い、現状把握を行なってください。

2022年6月から9月にかけて当団体独自調査により、全国の各市町村において行われている『アピアランスケア支援事業』の調査を行いました。
2022年6月から7月に行ったインターネットによる調査によると、全国1741の市町村のうち669市町村がアピアランスケア支援のための助成事業を行っていることが判明しました。

都道府県別 アピアランスケア支援事業実施市町村の分布

これは全体の38%相当となり、市町村独自のものと都道府県が一部助成額を負担して行なっているものがあることがわかりました。
当団体にて調査した結果において、各市町村の問い合わせ窓口のリンク集を制作し当団体ホームページに掲載しています。
https://charmingcare.jp/appearance/
まずは、国として全体数を把握するため各市町村でのアピアランス支援事業実施の可否について調査を行っていただきますよう要望いたします。

要望2

現在各市町村で行われているアピアランスケア支援事業の実態を鑑み、自治体ごとの施策とするのではなく、国としての施策として支援事業を行なっていただく体制づくりを要望します。

2022年6月―7月のインターネットによる調査及び、2022年9月に行ったアピアランスケア支援事業実施市町村へのメール・電話によるアンケート調査により、市町村独自での予算運用と都道府県からの補助ありでの予算運用があることが判明しました。
それにより、助成の適応範囲などに差が生じています。

またグラフにも記載がある通り、ウィッグと乳房補正具(主に下着)に限定している自治体がほとんどとなっています。女性患者への配慮によりこのような体制になっている傾向がありますが、がんは女性だけがなるものではありません。全てのがん患者に対して活用しやすい体制を要望します。

要望3

当団体が行ったアピアランスケア支援事業の実態調査において、年齢制限もなく小児も助成対象になっているにも関わらず、小児がん患児への活用配慮がなされていない傾向が見られます。国主体での実態調査の後、実際のニーズに合わせた形での助成制度の検討を各都道府県及び各市町村宛に通知してください。

2022年9月のアピアランスケア支援事業を行っている669市町村への当団体独自のヒアリング調査の結果、2022年10月7日現在の有効回答数286(令和3年度集計分)市町村、年間総申請数は5954人、そのうち子どもの年間総申請数10人という結果が得られました。

ヒアリング調査の質問事項は以下 (メールと電話によってヒアリング)

  • アピアランスケア支援事業の年間申請者数は何人でしょうか?(開始間もないようであれば、今までの累積数をご記載ください)
  • アピアランスケア支援事業の年間支援者の中に子どもの申請者は何人いますか?(開始間もないようであれば、今までの累積数をご記載ください)
  • アピアランスケア支援事業に関してどのような広報を行っていますか?(複数選択可)*

□市報・HP
□病院にポスターやチラシを掲示
□公的機関にポスターやチラシを掲示
□患者団体に周知(ポスター・チラシなど)
□学校・子ども園などに周知(ポスター・チラシなど)
□コンビニなど商業施設に周知(ポスター・チラシなど)
□その他

当団体のヒアリング調査により令和3年度の年間申請者数最多1000人を超えている市町村は神奈川県横浜市で、横浜市と他市町村との大きな違いは、担当課の他に拠点病院でも申請書を配布しており、情報のタッチポイントを増やしている点が挙げられます。
一方で申請者数が5人未満の市町村のほとんどが、広報手法として市報・HPのみを選択していていることが判明しました。
市町村によって人口数にばらつきがあるため一概にはまとめられない部分はあるものの、アピアランスケア支援事業への温度感や広報予算の違いが関連していることが伺えました。
事業資金を市町村だけでは賄うことが難しく、クラウドファンディングなどの試みをしている市町村も見受けられました。
都道府県が助成の一部を負担している市町村もありますが、そうでない市町村では資金面での不安もあることが伺えました。

また、適応年齢に制限をつけていないので、子どもも申請可能な制度にはなっていますが、実際の申請数は全体の僅か0.1%となっており、ほとんど利用されていない事が判明しました。
小児がんの年間発症者数は少ないとはいえ、ほとんどの市町村で申請者数が「0」となっている背景について、今後当団体において当事者層(小児がん経験者及びその保護者)へのヒアリング調査を行う予定にしており、そのための事前ヒアリングを数組の家族及び関係支援団体に個別で行いました。

その結果、

  • アピアランスケア支援事業においてウィッグの助成が多くなされているが、小児がん患児の場合、民間企業や団体の寄付の仕組みが充実している。市町村ではウィッグ以外の助成が活用できるとありがたい。
    また寄附の場合も申請が必要なので、申請先の情報が集約されていないのでアピアランスケア支援事業でフォローしてもらえると助かる。
  • 治療や療養の際、必要な医療ケアグッズはあるものの、アピアランス支援事業では助成の対象として記載がないので活用できない。
    小児の場合は、市販品が少なく手作りしなければいけない実情もある。物品に関して何らかの補助があると助かる。
    *小児がん経験者やその保護者からのヒアリングによる具体例は下記参照
    (例:ケアキャップ・帽子・カテーテルカバー・移植の際などに活用する拘束帯・前開き下着・日除けグッズ・(小児の場合、治療時カテーテルやポートを常時体内に埋め込んだ状態で生活するため)入浴時に活用するカテーテルやポートを保護するためのドレッシングシートなど)
  • 小児がん治療においてはドラックラグが発生しており、自費で購入しなければならない薬も存在する場合がある。それをいきなり承認するのは難しいかもしれないが、せめて治療に必要な身の回りのものに関しての経済的負担を軽減してほしい。

という声が得られました。
実際のニーズに寄り添った形での支援体制の構築を強く望みます。
今回の調査結果をふまえ、国主体でアピアランスケア支援事業に関する調査を行っていただき、実際のニーズに合わせた形での助成制度の検討を各都道府県及び市町村宛に通知していただけましたら幸いです。

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